賃貸の内見でチェックする設備|水道・コンロ・エアコン・ネットの見方

暮らしと住まい

お部屋探しのとき、間取りや家賃はじっくり見るのに、「設備」って意外と見方がわからないまま内見してしまいがちですよね。

正直に言うと、私自身、内見のときに蛇口をひねって水を出して確かめていいなんて、長いあいだ知りませんでした。賃貸に住んだ経験はあっても、「設備のどこを、どうチェックすればいいのか」までは、誰も教えてくれないままだったんです。

でも、住み始めてから「水の出が弱い」「エアコンの修理代が自分持ちだった」と気づいても、なかなか戻せません。そこでこの記事では、内見のときに見ておきたい設備のポイントを、水まわり・コンロ・エアコン・カビ・ネット回線の順に、ひとつずつまとめました。読み終わるころには「内見で何を見ればいいか」がはっきりするはずです。

① 水まわり:蛇口は「ひねって確かめてOK」

まず、私がいちばん「知らなかった!」と思ったのがこれです。空室の物件なら、内見のときに蛇口をひねって水を出して確認してかまいません。水まわりは実際に出してみないとわからないことが多いので、むしろ確認しておくのがおすすめです。

見ておきたいのは、次のポイントです。

  • 水の勢い(水圧):チョロチョロしか出ないと、シャワーや洗い物が毎日のストレスになります。
  • 水の色・におい:濁っていないか、サビ臭くないか。しばらく空室だった部屋は、最初だけ濁ることもあります。
  • お湯:給湯器を動かして、お湯がちゃんと出るか、出るまでにどのくらいかかるか。
  • 排水:流れるスピードと、排水口から下水のにおいが上がってこないか。
  • 蛇口の閉まり具合:ゆるくないか、止めたあともポタポタ残らないか。

実際に確認するときは、勝手にひねらず、「水圧を見たいので、蛇口の水を出してみてもいいですか?」と一声かけるのがマナーです。こう聞いて断られることは、ほとんどありません。お湯を見たいときも「給湯器を動かして、お湯も出してみていいですか?」と伝えれば大丈夫。お湯は、だいたい1分以内に温かくなれば十分という目安で見ておきましょう。

ただし、空室の物件はガスや電気が止まっていて、給湯器が動かないこともあります。そのときは無理せず、「入居したら、いちばん最初にお湯を確認する」と覚えておけば大丈夫です。

ひとつ注意点を。まだ誰かが住んでいる物件(居住中)の場合は、勝手に水を出すのは控えて、案内してくれる不動産会社の人に「どこまで確認していいですか?」と一声かけましょう。空室か居住中かで、できることが変わります。

※住み始めてから「水が止まらない」「元栓の場所がわからない」といったトラブルが不安な方は、賃貸で水が止まらないときの元栓・止水栓の止め方もあわせて読んでおくと安心です。

② コンロ:「備え付け」か「自分で用意」かを必ず確認

コンロは物件によって扱いがバラバラで、ここを勘違いすると入居初日に「料理できない!」となりかねません。大きく3つのパターンがあります。

  • 備え付け(ビルトインコンロ):キッチンと一体になっているタイプ。契約書では「設備」となり、故障したら大家さんが直してくれるのが一般的です。
  • 置くスペースだけある:コンロ本体は付いておらず、自分で買って設置します。故障したときも自費。家賃が抑えめの物件では、このタイプもよくあります。
  • 前の人が置いていったコンロ(残置物):そのまま使えますが「設備」ではなく“おまけ”の扱い。壊れても自費修理になります。

なお、内見のときにコンロの火をつけて確かめることは、基本的にできません。空室の物件はガスの元栓(開栓)が止められているため、コンロがあっても火は出ないんです。安全のためなので、火がつくかどうかの確認は、入居してガスを開栓してもらう日が最初になります。

また、前の人が置いていったコンロが「いらないな」と思っても、自分で勝手に処分してはいけません。まず大家さんや管理会社に「これは処分してよいですか?」と相談しましょう。処分費用は状況によって分かれます。前の入居者が黙って置いていったものならその人の負担、大家さんが承諾して残しているものなら大家さんの負担、契約書で入居者が管理すると決まっていれば自分の負担、というのが基本の考え方です(ガスコンロの処分費用は900〜1,000円ほどが目安)。契約書の「残置物」「所有権放棄」の欄も見ておくと安心です。

あわせて確認したいのがガスの種類(都市ガスかプロパンガスか)です。コンロを自分で買う場合、ガスの種類が違うと使えません。内見のときや申し込み前に、不動産会社へ「コンロは備え付けですか? ガスは都市ガス・プロパンのどちらですか?」と聞いておくと、買い物の失敗も防げます。

③ エアコン:「設備」か「残置物」かで修理代が天と地

エアコンは、見た目が付いていても「誰のものか」で修理費の負担がまったく変わる、とくに要注意のポイントです。

エアコンは「設備」か「残置物」かが分かれ目
🟦 設備のエアコン
もともと物件に備わっているもの。自然な経年劣化や故障なら、修理費は大家さん負担が原則。
🟥 残置物のエアコン
前の入居者が置いていったもの。使えますが、壊れたら自分で修理・交換が原則です。

見分け方は、契約書(賃貸借契約書)や重要事項説明書の「設備」欄に、エアコンが書かれているかです。記載がなければ残置物の可能性が高いので、契約前に必ず確認しましょう。「このエアコンは設備ですか? 残置物ですか?」とそのまま聞いて大丈夫です。

内見では、何台ついているか・製造年(古すぎないか)・風がちゃんと出るかも見ておきましょう。製造年は、本体の側面や室外機に貼られたシールに書かれています。目安として製造から10年を超えていると、そろそろ交換をお願いしやすい時期です。

ただし気をつけたいのは、「古いだけ」では交換してもらえないということ。法律(民法606条)で大家さんに修理の義務があるのは“壊れたとき”で、まだ動いているエアコンを「古いから新品に」とお願いしても、基本は通りません。ここは期待しすぎないほうが、あとでがっかりせずにすみます。

一方で、入居してすぐ(おおむね半年以内)に、エアコンから異臭がしたり、カビが目立つような場合は、それが設備(大家さんの持ち物)であれば、大家さんの負担で清掃業者に頼んでもらえるケースがあります。ポイントは「入居した時からこうでした」と早めに相談すること。気づいたら我慢せず、すぐ管理会社に連絡してみてください。

④ カビ・湿気:ここは必ずチェック

内見でいちばん見落としやすく、住んでから後悔しやすいのがカビです。カビが生えやすい場所はだいたい決まっているので、そこを重点的に見ておきましょう。

  • 押入れ・クローゼット:扉を奥まで開けて、壁の黒ずみ・シミ・カビ臭さがないか。空気がこもる造りは要注意です。
  • 窓のサッシ・ゴムパッキン:結露が起きやすく、カビの定番スポット。黒い点々がないか見てください。
  • 浴室・洗面所・キッチンの水まわり:換気扇や窓があるか、換気扇を回して風量があるかも確認を。
  • 北側の部屋・日当たりの悪い部屋:湿気がこもりやすく、カビが繁殖しやすい場所です。
  • 窓が1面しかない部屋:風が通らず湿気がたまりがち。窓が2面ある物件は、風通しの点で有利です。

もしカビやシミを見つけたら、その場でスマホで写真を撮っておきましょう。「入居前からあった」という証拠になり、退去のときに「あなたが生やしたカビ」として費用を請求されるのを防げます。

では、内見でカビを見つけたら入居前にきれいにしてもらえるのでしょうか? これは、契約前に交渉するのがいちばんの近道です。契約前の大家さん・不動産会社は「早く決めてほしい」という気持ちがあるので、こちらの要望を聞いてもらいやすいタイミングなんです。「このお風呂(窓のサッシ)のカビ、入居までにクリーニングしてもらえますか?」とお願いしてみましょう。とくに、結露しやすい窓が原因だったり、配管の水漏れや建物の構造が原因のカビは、大家さん負担で対応してもらえる可能性が高いです。

同じことは、カビ以外の細かい不具合にも当てはまります。「クローゼットのネジが外れている」「網戸が破れている」「扉の建て付けが悪い」など、内見で気づいたことは、写真を撮って一覧にまとめ、契約前に「入居までに直してもらえますか?」とまとめて相談するのがコツです。

ただし、これは大家さんの義務ではなく“お願い”なので、必ず直してもらえるとは限りません(人気の物件だと断られることもあります)。そして、いちばん大事な注意点です。「直しておきますね」という口約束だけで終わらせず、契約書の特約欄やメールなど“文字に残る形”にしてもらうこと。契約書にサインしたあとだと「現況のまま引き渡し(現況渡し)」とみなされ、あとから直してもらうのはぐっと難しくなります。だからこそ、気づいたことはサインする前に、全部まとめて伝える——これが失敗しないいちばんのコツです。

⑤ ネット回線:すでに引いてあると、お得で早い

意外と差が出るのがネット環境です。賃貸のインターネットは、大きく2つに分かれます。

  • 全戸一括タイプ(いわゆる無料インターネット物件):大家さんが建物ごと導入していて、入居者は自分で契約しなくてもネットが使えます。工事も契約も不要で、お得で早いのが魅力。
  • 個別契約タイプ:自分で回線事業者と契約し、必要なら工事をして部屋に回線を引き込みます。

自分で光回線を引く場合の工事費の目安は、おおまかに次のくらいです(あくまで目安で、物件の状態や契約先によって変わります)。

  • マンション・アパート:1.5〜2万円ほど(建物の状況によって5,000円〜3万円程度の幅があります)
  • 戸建て:2〜3万円ほど
  • すでに部屋まで光回線が来ている場合:工事不要で、安く済むことが多いです

「工事費が実質無料」になるキャンペーンをやっている回線も多いので、最終的な金額は申し込み先で見積もりを取って確認しましょう。なお、賃貸で回線工事をするときは、大家さんや管理会社の許可が必要な場合があります。勝手に工事を進めず、必ず一言確認してくださいね。

回線選びで迷ったら、「家計簿アプリがセットになったタイプ」という選択肢もあります。たとえばマネーフォワード光は、ふだんは年5,000円ほどする家計簿アプリ「マネーフォワード ME」のプレミアム機能が、契約中は無料で使えるのが特徴です(料金は戸建て・集合住宅でちがいます)。正直にお話しすると、私もこのアプリ自体は入れているのに、家計簿づけを続けられていない側なのですが…シングルマザーはとくにお金の管理が大事なので、「回線を選ぶついでに家計も整える」という考え方は、けっこうアリだなと思っています。手続きがややアナログ・キャンペーンが少ないといった面もあるので、料金とあわせて比べてみてください。

⑥ 見落としやすい「あとで困る」ポイント

設備そのもの以外に、内見で見落としがちで、住んでから地味に効いてくるのがこの4つです。

  • コンセントの位置と数:少なすぎたり、変な位置にあると、家具や家電の置き場所が決まりません。各部屋で、数と高さを見ておくと安心です。
  • 携帯の電波:自分のスマホで各部屋をチェック。部屋の奥や水まわりで、電波が弱くなることがあります。
  • 収納のサイズ:奥行き・高さを測っておくと、手持ちの衣装ケースや布団が入るか判断できます(中のカビは④でチェック済みですね)。
  • 窓や扉の建て付け:開け閉めがスムーズか。窓の向き(日当たり)もこのタイミングで。

⑦ 内見に持っていくと差がつく持ち物

  • メジャー(3m以上・金属製):冷蔵庫や洗濯機の置き場、カーテンをつける窓のサイズを測るのに必須です。金属製のほうが一人でも測りやすいです。
  • スマホ:写真と動画で記録を。何件も見ると記憶がごちゃ混ぜになるので、撮っておくと後で見返せます。電波チェックや、方位(コンパスアプリ)の確認にも使えます。
  • この記事のチェックリスト:その場で迷わないように、メモ代わりにどうぞ。

何件か見て回るときは、玄関で物件名や号室を1枚撮ってから室内を撮ると、あとで「これどの部屋の写真だっけ?」と混ざらずに済みます。

まとめ:内見の設備チェックリスト

最後に、今日のポイントをチェックリストにまとめました。内見のとき、スマホでこのページを開いておくだけでも役立つはずです。

📋 内見・設備チェックリスト
☐ 蛇口を出して水圧・水の色・お湯を確認(空室のとき/一声かけて)
☐ 排水の流れ・においをチェック
☐ コンロは備え付け? ガスの種類は?(火の確認は入居後)
☐ 前の人のコンロ、いらない場合の処分は大家さんに相談
☐ エアコンは「設備」か「残置物」か(契約書で確認)
☐ エアコンの台数・製造年(____年製)・風の出方
☐ カビ:押入れ・窓サッシ・水まわり・北側の部屋(見つけたら写真)
☐ 気になる不具合・カビは契約前にまとめて相談(口約束でなく書面で)
☐ ネットは無料? 自分で契約? 工事はいる?
☐ コンセントの位置と数
☐ 各部屋でスマホの電波
☐ 収納のサイズ・窓や扉の建て付け・日当たり

このリストは、スマホでこのページを開いたまま内見に持っていけます。印刷できる方は、この画面をA4で印刷して、エアコンの製造年や気づいたことを直接書き込むと、あとで何件かを比べるときにとても便利です。プリンターがなくても大丈夫。スマホでこのページを見ながら、メモアプリに書き写していけば同じように使えます。

設備で迷ったときの最後の決め手は、契約書(重要事項説明書)の「設備」欄です。気になることは、遠慮せず不動産会社に「これは設備ですか?」と確認すれば大丈夫。聞くのは恥ずかしいことではなく、むしろきちんとした入居者だと思ってもらえます。

お部屋探しの基礎から知りたい方は賃貸お部屋探しの基礎知識(構造・築年数・耐震)、住み始めてからのトラブル対策は賃貸の入居後トラブル、一人でどう動く?もどうぞ。物件を選ぶときに大切にしたい視点はお部屋探しで大切にしていることにまとめています。

内見は、緊張するとあっという間に終わってしまいます。だからこそ「見るところリスト」を持っておくと、自分のペースで落ち着いて確認できます。あなたの新しいお部屋が、安心して暮らせる場所になりますように。

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