娘と二人の新しい暮らし。その住まいを見つけるために、今わたしはお部屋を探している最中です。毎日のように物件サイトを開いては、間取りや家賃を見比べる日々。そうして探し始めて一番に思ったのは、「賃貸って、こんなに知らないことだらけだったんだ」ということでした。
今まで間取りと家賃ばかり見ていたけれど、建物の構造や築年数の意味を知ると、同じ家賃でも「これは納得して選べる」「ここはちょっと確認しよう」と、自分で判断できるようになってきます。今回は、私が物件を探しながら一つずつ調べて「先に知っておけてよかった」と感じた基礎知識を、できるだけやさしくまとめます。私と同じように、これからお部屋を探す方の不安が、少しでも軽くなりますように。
建物の「構造」で、住み心地と家賃が変わる
賃貸の物件情報には、たいてい「木造」「鉄骨造」「RC造」などと書かれています。最初は記号にしか見えませんでしたが、これは建物の骨組みの違いで、住み心地に直結することが分かりました。
- 木造(W造)…建築費が安く、その分だけ家賃も抑えやすい。ただし壁が薄め(10〜15cmほど)で、遮音性は一番低い傾向。
- 鉄骨造(S造)…木造とコンクリートの中間くらい。
- 鉄筋コンクリート造(RC造)…コンクリートで密度が高く、遮音性・耐震性に優れる。
- 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)…もっとも頑丈で防音も得意。主に大きめ・高層の建物に使われます。
「木造 → S造 → RC造 → SRC造」の順に防音性が上がる、と覚えておくと選びやすいです。同じ広さでも構造の違いで家賃相場が2〜3万円ほど変わることもあるそうで、「なぜこの物件は安いんだろう?」の答えが、実は構造にあることも少なくありません。
音は「上下・左右」どのくらい聞こえる?
みんなが一番気になるのは、やっぱり音だと思います。私も同じです。調べてみると、構造によってこれくらい違うそうです。
- 木造…壁が薄いぶん、隣の部屋の会話やテレビの音、上の階の足音まで、わりとそのまま伝わってくることがある。声などの「空気を伝わる音」も、足音などの「響く音」も通りやすい。
- 鉄骨造…鉄は金属なので、階段の上り下りやドアの開け閉めといった「振動の音」が建物全体に伝わりやすく、上下階の生活音が気になる場合がある。
- RC造・SRC造…コンクリートが音をしっかり遮ってくれるので、上下左右の生活音はほとんど気にならず、静かに暮らしやすい。
ただし、同じ木造でも壁の中に吸音材が入っているかどうかで体感はかなり変わるそうです。だから最後は、次の「コンコン」で自分の耳で確かめるのがおすすめです。私も、娘が勉強に集中する時間や夜の物音のことを考えて、音の伝わりやすさは妥協したくないポイントの一つにしています。
内見では「壁コンコン」で厚みを確かめる
「内見のとき、壁をコンコン叩くといい」とよく聞きますよね。では、どこを叩くのか。お隣の部屋との境の壁(戸境壁)の真ん中あたりを、軽くノックするように叩いてみます。
- 「コンコン」と太鼓のように軽く響く…表面が石膏ボードで、中が空洞ぎみのことが多い
- 「ゴツゴツ」と鈍く詰まった音…中までコンクリートが詰まっていて、遮音性が高めの傾向
コツは、一か所だけでなく何か所か叩いてみること。壁の中には一定の間隔で下地の柱(間柱)が入っていて、その部分はあまり響かないからです。それと、石膏ボードでも二重になっていたり吸音材が入っていれば、しっかり防音されていることもあります。「コンコン鳴った=防音が悪い」と決めつけず、あくまで目安として確かめてみてくださいね。
「エレベーターは何階から?」は、階数じゃなく“高さ”で決まる
ここは、私が完全に勘違いしていたところです。「◯階建て以上はエレベーターが必要」と思い込んでいたのですが、正しくは建物の高さで決まります。建築基準法では、高さ31mを超える建物にエレベーター(昇降機)の設置が義務づけられていて、31mはだいたい7〜10階くらいに相当します。
つまり「何階まではエレベーターなし」と階数で言い切れるわけではなく、一階あたりの高さによって、6階建てで31mを超えることも、10階建てで届かないこともあるそうです。階段の上り下りは毎日のこと。子どもや買い物の荷物を抱えて何度も往復する生活を思い浮かべて、自分の体力と相談して決めたいところです。
5階建てくらいまでの低層は、頑丈な造りが多い
「低い建物の方が頑丈って本当?」と気になって調べてみました。さすがに「5階まで=頑丈」と数字で言い切れるわけではないのですが、5階建て以下のRC造の低層マンションは「壁式構造」というつくりが多いそうです。これは部屋の中に柱や梁の出っぱりがなく、壁と床で建物を支える方式で、空間がすっきりして、安定感のある頑丈な傾向があるとのこと。内見のときに「部屋の角に柱の出っぱりがないな」と感じたら、こうした造りかもしれません。
築年数は「1981年6月」が大事な境目(新耐震基準)
古い物件は家賃を抑えられるので、私も候補から外さずに見ています。ただ、築年数を見るときに知っておきたいのが「新耐震基準」という言葉でした。
1981年(昭和56年)6月1日を境に、建物の耐震の基準が変わっています。
- それより前(旧耐震基準)…震度5強くらいの揺れで倒壊しない水準
- それ以降(新耐震基準)…震度6強〜7でも倒壊しない水準
実際、1995年の阪神・淡路大震災では、新耐震基準の建物の7割以上が軽微〜無被害だったというデータもあるそうです。「築年数が古いか新しいか」だけでなく「いつ以降に建てられたか」で安心感がかなり変わるので、私は古めの物件を見るときは“建てられた時期”を必ず確認するようにしています。(※正確には建築確認を受けた時期で判断します。気になるときは不動産会社に確認すると安心です。)
ちなみに、この境目の1981年に建てられた物件は、2026年の今でいうと築45年ほど。「築45年」と聞くと、つい「うわぁ、古いな〜」と思ってしまいますよね(笑)。でも、ふと自分の年齢のことを考えてみたら……私もなかなかの“築年数”でした。そう思うと、建物にちょっと親近感までわいてきます。建物も人も、大事なのは年数そのものより、日々の手入れと、いたわり方なのかもしれません。お部屋探しはあれこれ気を張る時期だからこそ、物件だけじゃなく、自分の体と心も、どうか無理なくいたわってあげてくださいね。何よりも健康第一で。
古い物件+リノベーションは、かしこい選択肢
築年数が古い物件の中でも、私がついお気に入り登録してしまうのが「リノベーション済み」の物件です。古い建物の骨組みを活かして内装を新しくしてあるので、設備がきれいでおしゃれなのに、新築より家賃を抑えやすい。少ない初期費用で気持ちのいい暮らしができる、という点にとても魅力を感じます。
ちなみに、大家さんがリノベーションするとき一番お金がかかるのは、お風呂などの水回りだそうです。特に昔ながらのタイルのお風呂を、今どきのユニットバスに替える工事は、解体や防水の手間が増えて高額になりがち。だから「水回りがきれいに新しくなっている物件」は、それだけ手をかけてもらっている、とも言えそうです。
一方で、注意したい点もあります。リノベ物件は間取りを自由に変えられないことがあったり、家賃と周辺環境のバランスが合っていない物件もあるとのこと。見た目のきれいさだけでなく、暮らし全体で考えたいですね。
内見のとき、排水溝の“におい”もチェック
もう一つ、内見で見落としがちなのが「におい」です。キッチンや洗面所、お風呂の排水口から下水のようなにおいがしたら、ちょっと気に留めておきましょう。
よくある原因は「封水切れ」と呼ばれるものだそうです。排水口の奥には、いつも少しだけ水がたまっていて、これが下水のにおいにフタをしてくれています。ところが、空室の期間が長くて水を流していないと、この水が蒸発してフタがなくなり、においが上がってきてしまうのだとか。
この場合は、しばらく水を流せば水のフタが戻って、においが消えることが多いそうです。なので内見でにおいが気になったら、「空室で水が乾いているだけかもしれない」と一度考えてみて、それでも気になるときや、水を流しても消えないときは、配管の問題の可能性もあるので、不動産会社や管理会社に確認しておくと安心です。
知らないより、知っている方が「自分で選べる」
ここまで書いてきたことは、正直どれも、探し始めるまで私もよく分かっていませんでした。でも一つずつ調べていくと、物件情報の見え方が変わって、「家賃が安いのには理由がある」「この築年数なら確認しておこう」と、自分の物差しで判断できるようになってきました。
娘と二人の暮らしは、家のことも、お金のことも、最後は私が一人で決めます。だからこそ、知識は不安を減らしてくれるお守りのようなもの。完璧じゃなくていいから、知ろうとすること。それが、納得して選ぶための一番の近道だと感じています。
お部屋探しを始めたきっかけや、私が大切にしている条件については、こちらの記事に書いています。
▶ 娘と二人の新しい暮らしへ。一人でお部屋を選ぶとき、私が大切にしていること
家賃は、毎月の固定費の中でも一番大きな部分です。固定費の見直しの順番はこちらにまとめています。
▶ 固定費の見直し、何から始める?私がやってきた順番と「効果が大きかったもの」
次回は、入居した後のこと――エアコンや給湯器などの設備が壊れたら誰が直してくれるのか、トイレが詰まったときはどうするのか、新居のカギは前の人と同じものなのか――といった「住み始めてからの安心」についてまとめる予定です。
※この記事は、私が物件を探しながら調べたことをまとめたものです。制度や基準は地域や物件によって異なる場合があるので、契約前には不動産会社や自治体の窓口でも確認すると安心です。


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