伊勢神宮を親子で参拝|外宮から内宮の回り方【実体験】

母娘で二見の夫婦岩を訪れたイラスト(伊勢神宮参拝の前に立ち寄る二見興玉神社) 神社・パワースポット編

日本人の心のふるさと、伊勢神宮。いざ足を運ぶと、その広さと社(やしろ)の多さに「あれ、どこから、どの順番でお参りすればいいんだろう?」と立ち止まってしまう方も多いのではないでしょうか。

私は20代のころから神社巡りを続けていて、お参りの作法や回り方は、出かける前に必ず調べるようにしています。参拝の日を決めるときは日柄も大切にしていて、今回も縁起のよい日を選んで出かけました。

それでも伊勢神宮は、外宮と内宮のほかに別宮がいくつもあって、お参りの順番にも古くからの習わしがある場所。今回もあらためて回り方を整理してから、出かけました。

今回は、娘と二人では初めての伊勢神宮参拝。二見の夫婦岩から外宮・内宮、そして「奥之院」と呼ばれる朝熊岳金剛證寺まで、まわってきました。

「伊勢神宮って、結局どう回るのが正解なの?」と迷っている方に向けて、実際にまわった順路と、調べて分かった参拝のポイントを、親子のちいさな体験記としてまとめます。よかったら一緒に確認してみてください。

まずは全体像|親子でまわった1日の参拝コース

この日にまわったのは、次の順番です。伊勢神宮は「外宮を先に、内宮をあとに」お参りするのが古くからの習わしで、これを「外宮先祭(げくうせんさい)」というのだそうです。食事を司る豊受大神(とようけのおおみかみ)にまず感謝を捧げてから内宮へ、という流れですね。

  1. 二見興玉神社(夫婦岩)……参拝前に心身を清める
  2. 外宮(豊受大神宮)……まずはお礼から。別宮の多賀宮も
  3. 猿田彦神社……道開きの神様にご挨拶
  4. おかげ横丁……内宮の前に腹ごしらえ
  5. 内宮(皇大神宮)……天照大御神へ。別宮の荒祭宮も
  6. 朝熊岳金剛證寺……「奥之院」と絶景の展望台

それでは、ひとつずつご紹介していきますね。

二見興玉神社(夫婦岩)|参拝前に心身を清める「浜参宮」

最初に向かったのは、海辺に立つ二見興玉神社。仲良く寄り添う夫婦岩(めおといわ)で知られる神社です。

じつはここ、古くから伊勢神宮を参拝する前に立ち寄って、身を清める場所とされてきたそうです。かつては二見浦の海水で禊(みそぎ)を行い、心身を清めてからお伊勢さんへ向かったといわれ、これを「浜参宮(はまさんぐう)」と呼ぶのだとか。いまはその代わりに、無垢塩草(むくしおくさ)でお祓いを受けられるようになっているそうです。

そんな由来を知ってから訪れると、海のそばの清々しい空気がいっそうありがたく感じられました。娘と並んで手を合わせ、キラキラと輝く海を眺めながら、静かに一日をスタート。「今日はいい日になりそうだね」と、二人で顔を見合わせました。

外宮(豊受大神宮)|まずはお礼から。白馬にも会えた

続いて外宮(げくう)へ。鳥居をくぐった瞬間、空気がすっと澄んで、深呼吸したくなるような清々しさがありました。参道は左側通行が基本。娘と左側を歩きます。

どの神社でもそうなのですが、私はまずお礼から始めるようにしています。この日も正宮(しょうぐう)で、「おかげさまで昨年は転職が叶い、充実した毎日を送らせていただいています」と、心を込めてご報告してきました。

調べてみると、伊勢神宮では正宮は日ごろの感謝を伝える場所とされ、個人的なお願いごとは別宮でするのが習わし、という考え方があるそうです。外宮の場合、その別宮が石段を上った先にある多賀宮(たかのみや)。荒々しく力強い荒御魂(あらみたま)が祀られた特別なお宮です。私もここで、今年ひそかに願っていることをお伝えしてきました。

そしてこの日、いちばん嬉しかったのが——神馬(しんめ)の白馬に会えたこと!神馬は神様のお使いとされ、遭遇できると縁起がいいといわれています。調べたところ、神馬が正宮へ向かう「神馬牽参(しんめけんさん)」は毎月1日・11日・21日の朝に行われるそうで、その前後は御厩(みうまや)で会える可能性が高いのだとか。娘はすっかり心を奪われて、写真をスマホの待ち受けにしていました。

外宮の御厩にいる神馬の白馬「笑智号」を娘が撮影する後ろ姿(伊勢神宮)
外宮の御厩でくつろぐ神馬「笑智号(えみともごう)」。娘は夢中でカメラを向けていました。

猿田彦神社|道開きの神様にご挨拶

外宮のあとは、猿田彦神社へ。ものごとをよい方向へ導いてくださる「道開き(みちひらき)」の神様として知られています。

母子で暮らす身としては、この一年の歩みが少しでもよい方向に進みますように、と祈らずにはいられません。娘のこれから、自分のこれから。二人ぶんの「今年もよろしくお願いします」を、そっとお伝えしてきました。

おかげ横丁「ふくすけ」|内宮の前に伊勢うどんで腹ごしらえ

内宮へ向かう前に、おかげ横丁でひと休み。まずは名店「ふくすけ」さんで、名物の伊勢うどんをいただきました。

たまり醤油の黒いおつゆを見て「これ、かなり味が濃いのかな?」と身構えていたのですが、食べてみてびっくり。まろやかで、やさしい甘さのある味わいでした。太くてやわらかい麺に、しっかり絡んでたまらない……。娘と半分こして、あっという間に完食です。おなかを満たして、いよいよ内宮へ向かいました。

内宮(皇大神宮)|御手洗場は工事中、まさかの野生の鹿に遭遇

いよいよ内宮(ないくう)へ。天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする、伊勢神宮の中心です。内宮の参道は、外宮とは反対の右側通行が基本なのだそうです。

この日は、五十鈴川(いすずがわ)の清流で手を清められる御手洗場(みたらしば)が工事中で入れず、それだけは少し残念でした。それでも、参道に一歩足を踏み入れた瞬間の空気の清らかさは、やっぱり格別。娘と顔を見合わせて「来てよかったね」と言い合いました。

内宮で個人的なお願いができる別宮は、荒祭宮(あらまつりのみや)。天照大御神の荒御魂が祀られていて、新しいことを始める力や、前へ進む力を授けてくださるといわれています。新しい一歩を踏み出したい人には、心強いお宮ですね。

そして——正宮の参拝待ちの列に並んでいたそのとき。奥の林の中に、野生の鹿が4頭いることに気づいたんです!

まさか内宮の敷地の中で鹿に会えるなんて、思ってもみませんでした。まわりの参拝客の方々も「え、鹿じゃない?」とざわつきはじめて、みんなで見守ります。鹿も神様のお使いとされる縁起のよい生きもの。娘とそっと写真を撮らせてもらいました。外宮の白馬に続いての鹿——なんとも縁起のよい一日になりました。

おかげ横丁の食べ歩きガイド|二人で半分こ、いろいろ楽しむ

参拝を終えたら、お楽しみの食べ歩き。おかげ横丁とおはらい町は、名物グルメの宝庫です。私たちはいろんなものを二人で半分こにして、少しずつたくさんの味を楽しむ作戦にしました。

  • きゅうりの一本漬け……さっぱりしていて、歩きながらのおやつにぴったり
  • 焼き牡蠣……磯の香りがふわり。海の近さを実感する一品
  • 松阪牛のしぐれ煮おにぎり+豚汁……この日いちばんのごちそう。あたたかくてほっとする味
  • 赤福のぜんざい……甘さがちょうどよくて、歩き疲れが吹き飛びます
  • たこ棒……タコの旨みとぷりぷり食感が絶品
  • ソフトクリーム……最後の締めくくりに、二人でにっこり

半分こずつだと、いろんな味を楽しめるうえに、食べすぎも防げて一石二鳥(笑)。二人で「これおいしいね」と言い合いながら食べる時間は、それだけで気持ちが上がります。旅の思い出は、こういう何気ないひとくちに宿るのかもしれませんね。

朝熊岳金剛證寺|「お伊勢参らば朝熊をかけよ」奥之院と絶景

伊勢神宮まで来たなら、ぜひ足をのばしたいのが朝熊岳金剛證寺(あさまだけ こんごうしょうじ)。伊勢神宮の鬼門(きもん=北東の方角)を守る寺として、古くから「お伊勢さんの奥之院」と呼ばれてきた場所です。

伊勢音頭にも「お伊勢参らば朝熊(あさま)をかけよ、朝熊かけねば片参り」と唄われたほどで、昔は伊勢神宮とセットでお参りするのが当たり前だったのだそうです。「片参り」なんて言われると、これはお参りしないわけにいきませんよね。

お寺があるのは、標高555メートルの朝熊山(あさまやま)の山頂近く。伊勢志摩国立公園の最高峰なのだそうです。参拝を済ませてから展望台へ足を運ぶと、伊勢志摩の海が眼下に大きく広がる絶景が待っていました。参拝と自然と景色、三拍子そろった、ごほうびのような場所です。

山頂へは、有料道路の伊勢志摩スカイラインで上がる方法のほか、土日祝などに運行される参宮バスを利用する方法もあるそうです。訪れる前に、運行日やアクセスを公式サイトで確認しておくと安心ですね。

私が大切にしていること|お願いより先に「お礼」を

ここまで読んでくださった方は、もうお気づきかもしれません。私にとって神社への参拝は、「お願いごとをしに行く場所」というより「感謝を伝えに行く場所」なんです。

だから、どのお宮でもまずお礼から。「おかげさまで、こんな一年を過ごせています」とご報告してから、あらためて願いをお伝えする。この順番でお参りすると、不思議と参拝後の心がすっと軽くなって、前向きな気持ちで帰路につけるんです。

それともうひとつ、私が大切にしているのが日柄(ひがら)。参拝の日を決めるときは、縁起のよい日を調べて選ぶようにしています。一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)のような「はじめごとに縁起がいい」とされる日に手を合わせると、それだけで背筋がしゃんと伸びる気がするから不思議です。もちろん願かけは気持ちしだいですが、「よい日を選んで、感謝から始める」——この小さな習慣が、私の心の支えになっています。

まとめ|親子で伊勢参拝、覚えておきたいこと

最後に、今回の参拝で学んだポイントをまとめておきますね。

  • お参りの順番は「外宮が先、内宮があと」(外宮先祭)
  • 正宮では感謝を、個人的なお願いは別宮(外宮=多賀宮/内宮=荒祭宮)で、という習わしがある
  • 参拝前に二見興玉神社で心身を清める「浜参宮」の習わし
  • 神馬に会いやすいのは、神馬牽参のある毎月1日・11日・21日の朝ごろとされる
  • 時間に余裕があれば、奥之院の朝熊岳金剛證寺と展望台まで足をのばすのがおすすめ

ただ、御手洗場の工事のように、その時々で参拝できる場所や交通の状況は変わります。訪れる前には、伊勢神宮の公式サイトなどで最新の情報を確認しておくと安心です。

作法や順番を少し知っておくだけで、参拝はぐっと味わい深いものになります。とはいえ、いちばん大切なのは、やっぱり感謝の気持ち。娘と並んで手を合わせたあの時間は、私にとってかけがえのない宝物になりました。あなたも機会があれば、大切な人と、ゆっくりお伊勢さんを歩いてみてくださいね。

神社めぐりのことは、こちらの記事でもまとめています。あわせてどうぞ。

※掲載している情報は訪問時点のものです。工事・参拝規制・交通機関の運行状況などは変わる場合がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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