賃貸の引っ越し挨拶はする?しない?時間帯・品物・防犯まで

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引っ越しの準備を進めていると、ふと手が止まるのが「ご近所へのあいさつ、どうしよう?」という問題です。

正直に告白すると、私はこれがずっと気になっていました。賃貸マンションだと、みなさん「引っ越してきました」のあいさつをしているのでしょうか。行くとしても、みんな生活の時間帯がちがうのに、何時に行けばいいの?曜日は? 考えれば考えるほど疑問だらけ。

そこで今回は、引っ越しのあいさつは「する・しない」どちらが多いのか、する場合のマナー(範囲・時間帯・品物)、女性だけの世帯が気をつけたい防犯の考え方、そしてマンションのエレベーターで人と会ったときはどうするの?というところまで、まとめて調べて整理しました。

私と同じように「実際みんなどうしてるの?」と気になっている方は、ぜひ一緒に確認してみてください。

引っ越しのあいさつ、いまは「3人に1人はしない」そうです

まず、いちばん気になる「みんな、してるの?」から。

住まい情報サイトのLIFULL HOME’Sが引っ越し経験者に行った調査では、引っ越しのあいさつを「した」人は64%、「しなかった」人は35%だったそうです。およそ3人に1人は、あいさつをしていない計算になります。

しなかった理由の上位は、こんな内容でした。

  • 時間やタイミングがなかった(約32%)
  • 余計な人間関係を作りたくなかった(約23%)
  • 今までしてこなかった(約20%)

「え、しない人ってそんなにいるの!?」と思いますよね。私も思いました。

傾向としては、単身者向けの賃貸マンション・アパートではあいさつをしない人が多く、家族で戸建てに引っ越す場合はあいさつをする人が多いといわれています。つまり「賃貸マンションであいさつをしなくても、いまは特別めずらしいことではない」というのが実態のようです。

そういえば私も、昔はじめて賃貸を借りたときにあいさつをしたかどうか、正直まったく覚えていません。逆に、新しい方が越してきてあいさつに来られた記憶も、ほとんどありません。「しない人も普通にいる」というのは、実感としても納得でした。

あいさつを「する」場合の基本マナー

「じゃあ、するとしたら何が正解なの?」というのが次の疑問です。範囲・タイミング・品物の順に、調べたことを整理します。

引っ越しあいさつの基本マナー早見表(範囲は両隣と上下の4軒・時期は1週間以内・時間帯は土日の昼間10時から17時ごろ・品物は500円から1000円の日用品でタオルや洗剤やラップが定番・のしは紅白蝶結びの外のしで御挨拶・不在なら2回ほど訪ねて手紙と品物を袋に入れてドアノブへ)
あいさつを「する」場合の基本。まずこの6つだけで大丈夫です

範囲|集合住宅は「両隣と上下」の4軒が基本

マンション・アパートの場合は、自分の部屋の両隣2軒と、上下の階の2軒、合わせて4軒が基本とされています。警備会社のALSOKの解説でも、この範囲が目安として挙げられていました。

生活音は左右よりも上下に響きやすいといわれているので、「音でお世話になるかもしれない相手」に先にごあいさつしておく、という考え方だそうです。

戸建ての場合は、昔ながらの「向こう三軒両隣」。道をはさんだ向かい側の3軒と、左右のお隣2軒が目安です。ほかに、大家さんが近くに住んでいる物件や、管理人さんが常駐しているマンションなら、そちらにもひと声かけておくと丁寧なようです。

タイミング|引っ越しから1週間以内・土日の昼間がよいそうです

時期は、引っ越し当日から遅くても1週間以内が目安とされています。荷物を運ぶトラックや作業の音でご迷惑をかける可能性があるので、できれば引っ越し前〜当日にすませられるとベスト、という解説が多くありました。

そして、私がいちばん知りたかった「何時に行けばいいの?」問題。調べてみると、答えは意外なほどはっきりしていました。

  • おすすめは土日の昼間、10時〜17時ごろ
  • 朝の早い時間、食事どき(12時前後・18時以降)、暗くなってからは避ける

「みんな生活時間がちがうのに、どうやって合わせるの?」と思っていましたが、発想は逆でした。「在宅率が高くて、かつ失礼になりにくい時間帯」に行き、会えなければ会えないでいい——というのが世間の相場のようです。相手の生活リズムを完全に読むことは、そもそも誰にもできないんですね。ここを知って、私は少し肩の力が抜けました。

会えなかったら?|2回ほどで切り上げて、手紙と品物でOK

不在だった場合は、日にちや時間帯を変えて何度か訪ねてみて、それでも会えなければあいさつ状(手紙)を品物に添えて、ドアノブに掛けるか郵便受けに入れる方法でよいとされています。

マナーの解説では「2〜3回まで訪ねてよい」とされていますが、正直、3回はお互いに気をつかいますよね……。私は2回ほど訪ねて会えなければ、手紙に切り替えて十分だと思います。会おうとして何度も訪ねるほうが、かえって相手の負担になることもあるそうです。

文面は、たとえばこんな内容だそうです。

「はじめまして。◯月◯日に◯◯号室へ引っ越してまいりました◯◯と申します。何度かごあいさつにうかがいましたが、ご不在でしたのでお手紙にて失礼いたします。今後ともよろしくお願いいたします」

ここで「その手紙、手書き?パソコン?名前はどこまで書くの?」という疑問がよぎると思います。調べた範囲では、短い文なので手書きがいちばん感じがよいとされていますが、全部を手書きにするのが大変なら一部だけ手書きでもよく、印刷でも失礼にはあたらないそうです。名乗るのは部屋番号と苗字だけで十分。フルネームだと性別まで伝わってしまうので、防犯の面でも苗字だけにとどめるのがよいとされています。

そして「せっかく買った品物は渡せないの?」というと、そんなことはありません。品物も手紙と一緒に、雨や風に濡れないよう透明のビニール袋や手さげ袋に入れて、ドアノブに掛けておいてよいとされています。郵便受けに入る大きさなら郵便受けでもOK(最近は玄関ドアに投函口がないお部屋もあるので、その場合は集合ポストへ)。ただし、注意がふたつあります。ひとつは、外に置くことになるので食品は避けること。見知らぬ人からの食べものは不安に感じる方もいるため、タオルや洗剤などの日用品が安心だそうです。もうひとつは、何時間たっても掛かったままなら、いったん回収すること。掛かりっぱなしの品物は「この家はずっと不在です」と知らせることにもなるので、防犯のためにも様子を見て引き上げるのがよいとされています。

品物|500〜1,000円の「消えもの・日用品」。のしは「御挨拶」

あいさつの品は、500〜1,000円程度が相場とされています。SUUMOが紹介している約2万人規模の調査でも、かけた金額の平均は700円弱だったそうです。高価なものはかえって相手に気をつかわせてしまうので、「気持ちだけ」の金額でいいんですね。

定番は、あとに残らない「消えもの」や日用品です。よく挙がる定番から3つ選ぶなら、この顔ぶれです。

  • 1位級:タオル・ふきん|好みが分かれにくく、いくつあっても困らない王道
  • 2位級:食器用洗剤・洗濯用洗剤|必ず使う消えもの。ドラッグストアでそろえやすい
  • 3位級:ラップ・キッチンペーパー|軽くてかさばらず、相手の負担にならない

このほか、地域指定のゴミ袋(実用性で意外な人気だそうです)や、日持ちするお菓子もよく選ばれています。

のしを付ける場合は、紅白の蝶結びの「外のし」で、表書きは「御挨拶」、水引の下に苗字が基本の形。ただ、集合住宅どうしの軽いあいさつなら、のしなしの包装だけでも失礼ではないという意見も多くありました。大家さんや町内会長さんへは、少し上の2,000〜3,000円程度が目安だそうです。

私の実体験|町内の12〜13軒を「旅行のお土産」で回りました

ここでひとつ、私の実体験を。

昔、賃貸の家に住んでいたことがあります。町内会のある地域だったので、引っ越しのあいさつは町内の方々へ。回ったのは、ざっと12〜13軒だったと思います。

そのとき持っていった品物が、いま思うと少し変わっていました。ちょうど手元に旅行のお土産の「ちんすこう」があったので、それを配って回ったんです。タオルでも洗剤でもない、完全にお土産です(笑)。

それでも、どのお宅も「わざわざありがとうね」という感じで、快く受け取ってくださいました。良い方ばかりの町内で、そのあとの暮らしで肩身の狭い思いをしたことは一度もありません。

この経験からお伝えできるのは、品物の正解を探しすぎなくていいということです。相場やのしの作法は先ほど書いたとおりですが、受け取る側の記憶に残るのは「あいさつに来てくれた」という事実のほう。中身がちんすこうでも、みなさん笑顔で迎えてくださいました。

女性だけの世帯は「あえてしない」のもアリ——防犯の考え方

ここからが、この記事でいちばん書きたかったところです。

母子で暮らす身としては、あいさつ回りには防犯の心配がついてまわります。「どんな人が住んでいるのか分からないのに、こちらから玄関のドアをたたいて回って大丈夫?」という、あの感覚です。娘と二人のお部屋探しを続けている私にとっても、これは他人事ではありません。

「あいさつ回りで、一人暮らしだと知らせることになる」——警備会社も指摘

調べてみると、この心配は考えすぎではありませんでした。警備会社のALSOKは、単身者の多いマンション・アパートでは「あいさつ回りをすることで、自分が一人暮らしであることを周囲に知らせることになる」という趣旨の注意を挙げています。

女性の一人暮らしについては、「あいさつは無理にせず、会釈程度でよい」とする専門家の解説も複数見つかりました。「あえてあいさつをしない」は、非常識ではなく防犯上の選択肢——これが、いまの考え方のようです。

ひと昔前なら「あいさつしないなんて」と言われたかもしれません。でも、自分と子どもの安全を最優先することは、いまは立派な判断基準のひとつとされています。

でも、子どもの足音は心配……母子世帯のジレンマと現実解

ただ、母子世帯にはもうひとつの事情があります。子どもの足音や声です。

集合住宅のご近所トラブルでいちばん多いのは音の問題といわれていて、子どもがいる場合は「先にひと言伝えてあるかどうか」で、相手の受け止め方が大きく変わるそうです。つまり——

  • 防犯を考えると:世帯のことは知られたくない → あいさつは控えたい
  • 騒音トラブルの予防を考えると:先にあいさつしておきたい

見事に板ばさみです。調べたことと私の感覚を合わせると、現実解はこのあたりかなと思っています。

  • 物件のタイプで決める:単身者向けの静かな物件なら「しない」寄り、ファミリー世帯の多い物件なら「する」寄りで考える
  • あいさつをするときも、世帯の細かい構成までは言わない:「◯◯です。家族で越してきました。子どもがいるので、足音などでご迷惑をおかけするかもしれません」くらいで十分だそうです
  • 直接会うのが不安なら、手紙と品物をポストへ:不在時の作法と同じ方法を、防犯の目的で使ってもよいとされています
  • 家族や友人に付き添いをお願いして、複数で回るという防犯アイデアも紹介されていました

あいさつは「するか、しないか」の二択ではなく、「どこまで出すかを自分で調節していいもの」。そう考えると、ずいぶん気が楽になりませんか。

お部屋探しの段階で防犯のために気をつけていることは、こちらの記事にまとめています。
シンママのお部屋探し、選ぶとき大切にしていること【実体験】

エレベーターで人と会ったら?入居後の日常のあいさつ

もうひとつ、ずっと気になっていたのがこれです。引っ越しのあいさつとは別に、マンションのエレベーターや廊下で住人の方と乗り合わせたとき、あいさつはするものなのでしょうか。

調べた範囲では、「軽く会釈、余裕があれば『こんにちは』」が基本マナーという意見が大半でした。知らない方でも、同じマンションの住人なら、黙って目をそらすより軽く会釈するほうが感じがよい。無理に会話をする必要はなく、相手があいさつをしてくれたら返せば十分だそうです。

そして、この日常のあいさつには防犯の効果もあるといわれています。あいさつや会釈は「私はあなたの顔を見ましたよ」というサインになるため、よそから入り込んだ不審な人は、声をかけられる場所を嫌うのだとか。引っ越しのあいさつは控えても、日常の会釈は積極的に——この組み合わせが、女性だけの世帯にはいちばん合っているのかもしれません。

私もいま住んでいるところでは、ご近所の方と顔を合わせたらあいさつをしています。特別な会話はなくても、「知っている顔」が少しずつ増えていくだけで、暮らしの安心感は変わっていくものだなと感じています。

まとめ|あいさつは「する・しない」を自分で選んでいい

引っ越しあいさつをする・しないの判断の目安の図解(女性だけの世帯で単身向け物件はしなくてOKで日常の会釈におきかえる・子どもがいるファミリー物件は両隣と上下に短くあいさつ・戸建てや町内会のある地域はするのが基本)
する?しない?に迷ったときの目安です

最後に、今回調べたことをまとめます。

  • 引っ越しのあいさつは3人に1人がしない時代。賃貸マンションなら、しなくても特別めずらしくない
  • する場合は両隣+上下の4軒へ、引っ越しから1週間以内土日の昼間(10時〜17時ごろ)が目安
  • 会えなければ2回ほどで切り上げて、手紙と品物を袋に入れてドアノブへでOK(手紙は苗字だけ・食品は避けて日用品に)
  • 品物は500〜1,000円の消えもの・日用品。のしは紅白蝶結び・外のし「御挨拶」
  • 女性だけの世帯は、防犯上「あえてしない」のも選択肢。子どもの音が心配なら、世帯構成をぼかしたあいさつや手紙という中間の方法もある
  • 入居後はエレベーターや廊下での会釈を大切に。日常のあいさつは、むしろ防犯になる

マナーの話は「こうしなければ失礼」と考えると苦しくなりますが、調べてみて感じたのは、あいさつは義務ではなく、自分と家族の暮らしを守るための道具だということでした。物件の雰囲気によっても正解は変わるので、迷ったら、内見や契約のときに不動産会社や管理会社へ「このマンションでは、みなさん引っ越しのあいさつはされていますか?」と聞いてみるのもおすすめです。

引っ越しまわりの記事は、ほかにも書いています。よければあわせてどうぞ。

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