養育費が払われない…どうする?止まったときの手続きを、順番にわかりやすく解説

離婚・シングルマザー

「毎月入るはずの養育費が、振り込まれていない……」。ひとり親にとって、これほど不安なことはありません。どうすればいいのか、いつ動けばいいのか、頭が真っ白になってしまいますよね。

私自身も離婚を経験した身として、「これは、多くの人が知らなくて困るはず」と思い、養育費が止まったときの手続きを、順番にわかりやすく調べてまとめました。同じ不安を抱える方の、道しるべになればうれしいです。

実は、養育費を最後まで受け取れているひとり親家庭は、決して多くありません。「もういいや」と、あきらめてしまう方も、たくさんいます。でも、知識があれば、守れるものがあります。だからこそ、まずは”知ること”から始めましょう。

※手続きはケースによって異なり、法律にかかわる内容です。実際に進めるときは、弁護士の先生や、後でご紹介する相談窓口に、必ず相談してください。

まず大前提:あなたの「取り決めの形」を確認

養育費の手続きで、いちばん大事なのが、取り決めが「どんな形」で残っているかです。これによって、できることが大きく変わります。

  • 強い形……公正証書(強制執行認諾つき)・調停調書・審判・判決。これらがあれば、後で説明する「差し押さえ」が、すぐにできます。
  • 弱い形……口約束・二人だけの私的な書面。この場合は、いきなり差し押さえはできず、先に手続きが必要です。

まずは、自分の取り決めがどちらなのかを確認しておきましょう(公正証書についてはこちらの記事で解説しています)。

STEP1:動くタイミングは「期日を過ぎたら、すぐ」

「何日くらい待てばいいの?」と思うかもしれません。でも、支払いの期日を過ぎたら、できるだけ早く動くのが鉄則です。

「もう少し待てば払ってくれるかも」と放置していると、未払いがどんどん膨らんでいきますし、相手も「払わなくても平気なんだ」と、軽く考えてしまいがちです。1回でも滞ったら、早めに確認・連絡しましょう。

養育費は、毎月の生活費です。1か月でも入ってこないと、家計はすぐに苦しくなります。「相手の機嫌をうかがって、言い出しにくい」という気持ちは分かりますが、子どものために、毅然と動いていいんです。請求するのは、当然の権利なのですから。

STEP2:まず相手に催促する

最初のステップは、相手に支払いを求めることです。まずは連絡してみて、そのときのやり取りは、必ず記録に残しておきましょう(メールやメッセージなど、形に残る方法がおすすめです)。

それでも応じてもらえないときは、「内容証明郵便」で正式に催促します。内容証明郵便は、「いつ・どんな内容を送ったか」を郵便局が証明してくれるもの。相手への心理的なプレッシャーになるうえ、時効の進行を止める効果もあります。

内容証明郵便は、郵便局の窓口や、郵便局のサイトから出すことができます。「自分で書くのは不安」という場合は、弁護士に依頼して、代わりに出してもらうこともできます。弁護士の名前で届くと、相手に伝わる本気度も、ぐっと変わります。

STEP3:それでも払われないなら「強制執行(差し押さえ)」

催促しても支払われない場合の、最終手段が「強制執行」です。これは、相手の給料や預貯金などを差し押さえて、養育費を回収する手続きです。

心強いのは、養育費の差し押さえは、相手の給料の「2分の1」まで可能なこと(通常の借金は4分の1までです)。子どもを守るための養育費は、法律で強く保護されているんです。

ただし、強制執行をするには、先ほどの「強い形(債務名義)」——公正証書や調停調書などが必要です。口約束だけの場合は、まず家庭裁判所で調停・審判をして、取り決めを正式な形にするところから始めます。

強制執行の手続きは、自分で家庭裁判所に申し立てることもできますが、書類の準備など、専門的で手間がかかります。確実に進めたいなら、弁護士に依頼するのが安心です。費用はかかりますが、回収できる金額を考えると、頼む価値は十分にあります。

なお、2026年4月の法改正で、新しくできた「法定養育費」には特別な権利(先取特権)がつき、取り決めがなくても、一定の場合には差し押さえができるようになりました(くわしくは共同親権と養育費の改正の記事に書いています)。

STEP4:相手の財産がわからないときは?

「差し押さえたくても、相手の勤務先や口座が分からない」——そんなときのための手続きもあります。

「財産開示手続」や「第三者からの情報取得手続」を使えば、裁判所を通して、相手の勤務先や銀行口座などの情報を調べることができます。「もう連絡が取れないから無理」と、あきらめてしまう前に、こうした方法があることを、ぜひ知っておいてください。

「ここまでするのは、気が引ける」と感じる方もいるかもしれません。でも、養育費を回収することは、相手への仕返しではありません。子どもが受け取るべきお金を、本来の形に戻すだけのことです。どうか、胸を張って進めてください。

一人で抱えないで。頼れる相談窓口

ここまで読んで、「手続きが難しそう…」と感じたかもしれません。でも、一人でやろうとしなくて、大丈夫。頼れる窓口があります。

  • 弁護士・法テラス……手続きを代行・サポートしてくれます。法テラスは、費用面の相談もできます。
  • 養育費相談支援センター……養育費に関する、専門の相談窓口です。
  • お住まいの自治体のひとり親相談窓口……身近で、気軽に相談できます。

こうした窓口は、無料で相談できるところも多いです。「何から手をつければいいか分からない」という段階でも、まったく問題ありません。まずは話を聞いてもらうだけでも、心がふっと軽くなりますよ。

養育費は、子どもの権利です

養育費は、親のためではなく、子どもが健やかに育つための、子どもの権利です。だから、受け取ることに、遠慮はいりません。

払われなくなっても、どうかあきらめないでください。早めに動いて、記録を残し、必要なら専門家の力を借りる。順番に進めていけば、道はあります。あなたとお子さんの暮らしを守るために、頼れる制度は、堂々と頼ってくださいね。離婚の手続き全体の流れはこちらの記事にもまとめています。

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