賃貸のお部屋探しで、気になる物件が見つかって申込書を書いたあとに待っているのが「入居審査」です。
正直に告白すると、私はいわゆる入居審査というものを、きちんと経験したことがありません。だから「審査で何を見られるのか」「その間、何が起きているのか」は、私にとってまるごと未知の世界。知らないものって、それだけでこわく感じてしまいますよね。
でも、いま娘とのお部屋探しに向けて勉強していると、「審査って何を見られているの?」「結果まで何日かかるの?」「転職したばかりだと不利?」「シンママだと貯金を聞かれたりするの?」と、疑問が次から次へ。
そこで今回は、賃貸の入居審査の流れと見られるポイント、そして気を付けたいことを調べて整理しました。私と同じように「審査ってなんだかこわい」と感じている方は、ぜひ一緒に確認してみてください。
入居審査とは?|「この人に貸して大丈夫?」の確認
入居審査とは、大家さん・管理会社・保証会社が「この人にお部屋を貸して大丈夫かな」を確認する手続きです。見られているのは、大きく分けて2つといわれています。
- 家賃を安定して払えるか(収入・勤務先・雇用形態など)
- トラブルなく住んでくれそうか(人柄・言葉づかい・連絡のつきやすさ)
収入と家賃のバランス|「月収の3分の1まで」がよく出てくる目安
いちばん大事なのは、収入と家賃のバランスだそうです。よく出てくる目安が「家賃は月収の3分の1程度まで」。これを大きく超える物件だと、「払い続けられるかな?」と心配されやすくなるといわれています。
「収入が多いか少ないか」よりも、「その収入に見合った物件を選んでいるか」が見られている、というのが調べてみての印象でした。ここは少しほっとしたところです。
保証会社の審査|会社のタイプで見られるものが違う
いまの賃貸契約では、保証会社の審査を通ることが条件になっている物件が多いようです。保証会社にはタイプがあって、信販系(クレジットカード会社の系列など)は過去のカードの利用履歴なども確認するのに対し、独立系は現在の収入状況を重視する傾向がある、といわれています。
保証会社そのもののしくみ(保証料はいくら?滞納したらどうなる?)は、前回くわしく調べました。
人柄も見られている|不動産会社は「報告する側」
意外だったのがこれです。不動産会社は、内見やお店でのやりとりから、入居希望者の人物像を大家さん側に報告することになっているそうです。つまり、審査は申込書を出す前から始まっているということ。特別なことをする必要はなくて、ふつうに丁寧にやりとりすれば大丈夫。逆に、横柄な態度や無理な値切りはここで響いてしまうようです。
入居審査の流れと必要なもの
審査の流れは、おおまかにこの5ステップです。

申込みのときに用意するものは、物件によって違いますが、だいたいこのあたりだそうです。
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 収入がわかるもの(源泉徴収票・直近の給与明細など)
- 緊急連絡先(連帯保証人を立てる場合はその方の情報も)
住民票や印鑑証明書は、審査に通ったあとの契約のときに求められるのが一般的なようです。何が必要かは物件ごとに違うので、申込みのときに不動産会社へ確認しておくと二度手間になりません。
申込書には、名前・住所・勤務先・年収・家族構成などを書きます。ここで気を付けたいのが、空欄を残さない・事実と違うことを書かないこと。年収を多めに書くなど事実と違う内容は、収入証明とのズレで審査の途中でわかってしまい、かえって信頼を失うそうです。正直がいちばんの近道でした。
結果までの日数|3日〜1週間が目安
審査の結果が出るまでは、3日〜1週間程度が目安といわれています。早ければ翌日ということもあるそうです。
1週間を過ぎても連絡がないと「落ちたのかな……」と不安になりますが、遅い=落ちた、ではないようです。審査が長引く理由は、こんなものが多いのだとか。
- 申込書や書類に不備があった
- 本人・緊急連絡先・勤務先への電話確認がつながらない
- ゴールデンウィークや年末年始をはさんだ(2週間ほどかかることも)
つまり、こちらでできるいちばんの時短は、書類をそろえておくことと、知らない番号からの電話に出られるようにしておくこと。審査中は、保証会社や管理会社から確認の電話がかかってくることがあります。出られなかったら、できるだけ早く折り返すのがよいそうです。
落ちやすいといわれるケースと気を付けたいこと
調べていて出てきた「落ちやすいケース」は、だいたいこの5つに集約されていました。
- 収入に対して家賃が高すぎる物件に申し込んでいる
- 申込書の空欄・書き間違い・事実と違う記載
- 確認の電話がつながらない
- 内見やお店での態度(人柄も審査のうち)
- 過去の家賃やクレジットカードの滞納歴(信販系保証会社の場合)
逆にいえば、収入に見合った物件を選んで、書類を正直にきちんと書いて、電話に出られるようにしておく。これだけで、こちらでできる対策はほぼ完了です。
それでももし落ちてしまったら。実は審査に落ちた理由は教えてもらえないことが多いそうです。ただ、保証会社を変えて再挑戦できたり、別の物件なら通ったりすることもあるようなので、「私はもう借りられないんだ」と落ち込む必要はありません。不動産会社に相談してみてください。
転職したばかりだと審査に不利?|「何か月ならダメ」という決まりはないようです
ここからは、私がいちばん知りたかったところです。私自身、転職を経験している身なので、「勤続年数が短いと審査に通らないのでは?」というのは他人事ではありませんでした。
調べた結論からいうと、「転職後◯か月未満はダメ」という一律の決まりは見つかりませんでした。勤続年数は見られる項目のひとつではあるものの、それだけで落ちるわけではない、という解説が大半でした。
そのうえで、転職したばかりの人がよく使う方法がこちらだそうです。
- 内定通知書・採用通知書・雇用契約書を出す(「来月からこの会社で働きます」の証明になる)
- 働き始めているなら直近の給与明細を出す
- 家賃を月収の3分の1以下に抑えた物件を選ぶ
- 貯金があるなら、通帳の残高などで支払い能力を補足する
また、同じ業種・職種への転職なら「経験に一貫性がある」と評価されやすいという話もありました。転職で年収が上がっている場合は、むしろプラスに働くこともあるそうです。「転職=不利」と思い込んで諦める必要はなさそうで、ここも安心材料でした。
シンママだと貯金を聞かれるの?|聞かれても悪いサインとは限らない
「シングルマザーだと、審査で貯金まで聞かれるの?」——これも気になっていたことでした。
まず前提として、審査で見られているのは「シングルマザーかどうか」ではなく、あくまで「家賃を安定して払えるか」のようです。ひとり親だからという理由だけで落とす仕組みではない、という解説が公的な住宅情報でも紹介されていました。児童扶養手当や養育費も、家計の状況を説明する材料になる場合があるそうです。
そのうえで、貯金の話が出てくるのはどんなときかというと——収入だけでは基準に届かないときに、「預貯金審査」という別の道があるからだそうです。銀行の残高証明書などで「貯えで家賃を払っていける」ことを示す方法で、必要な金額の目安は物件や保証会社によって違うといわれています。
つまり、貯金を聞かれるのは「疑われている」のではなく、「この人に貸せる方法を探してくれている」場面でもあるということ。これを知ってから、貯金の質問がこわいものではなくなりました。
また、UR賃貸住宅のように保証人も保証会社も不要という物件もあります。選択肢は思っているより多いので、「審査がこわいから探すのをやめる」のがいちばんもったいないな、と感じました。
シンママのお部屋探しで私が大切にしていることは、こちらにまとめています。
→ シンママのお部屋探し、選ぶとき大切にしていること【実体験】
ちなみに、こうした審査ではなく「はっきりした収入基準を満たすかどうか」だけで決まる、UR賃貸という公的な賃貸もあります。審査に不安がある方は選択肢のひとつになります。
→ UR賃貸とは?メリット・デメリットと収入基準・割引制度も
ついでに知っておきたい|マイホームの住宅ローンは「別の審査」
「マイホームのローンは、転職してから何年かたたないと通りにくい」——そんな話、聞いたことありませんか?私もどこかで聞いた記憶があって、いつかのいつかのために、ついでに調べてみました。
まず、賃貸の入居審査と住宅ローンの審査はまったく別のものです。そのうえで、住宅ローンの世界では昔から「勤続3年以上」が目安といわれてきたそうですが、いまは転職が当たり前の時代になって、「勤続1年以上」を基準にする金融機関が多数派という調査もあるようです。
さらに、住宅金融支援機構の「フラット35」には勤続年数の要件がそもそもないそうで、転職後に申し込む場合は、給与明細が出せるようになってから(転職後3か月程度)がすすめられていました。同じ業種への転職なら、前の職場の勤続年数と通算して見てもらえる例もあるのだとか。
「転職したら何年もローンは無理」というのは、少し昔のイメージのようです。ただしここは金融機関ごとに本当にちがうので、実際に検討するときは必ず金融機関や専門家に確認してください。私も、いつかその日が来たら改めて調べようと思います。
連帯保証人は「電話一本」では外れない|私の実体験と裏取り
最後に、私の実体験からひとつ。私は離婚のとき、父にお願いしていた連帯保証人を外す手続きをしました。そのとき電話で確認したら、「連帯保証人が書いてあるページ自体は更新で変わるので大丈夫です。更新の契約書の2枚目に、新しい連帯保証人の用紙が入っています」という説明を受けました。
当時は「そういうものか」と思ったのですが、あとから「本当にあれで外れていたのかな?」と、ふと不安になったんです。今回、あらためて裏取りしました。
調べてわかったのは、この3つです。
- 連帯保証人の変更には、大家さんの承諾と新しい保証人の審査が必要
- 新しい保証の取り決めは書面で交わすのが原則
- 判例では、契約を更新しただけでは前の保証人の責任は自動では消えないのが原則とされている
つまり、「電話で大丈夫と言われた」だけでは足りなくて、「新しい保証人が署名した書面が残っているか」がすべてでした。私の場合は、更新の契約書に新しい連帯保証人の用紙がとじ込まれていた——つまり書面がきちんと残っていたので、手続きとしては成立していたようです。確認できて、心からほっとしました。
もし同じように「うちはどうだったかな?」と不安になった方は、手元の契約書のどこに保証人の書面があるかを確認してみてください。見当たらなければ、管理会社に問い合わせを。そして、契約書は写真に撮っておくと、こういうときに本当に助けられます(私はこれに救われました)。
→ 連帯保証人を外した手続きの話は、こちらにくわしく書いています
ちなみに「聞いたことあるかも」なお話をもうひとつ。2020年4月の民法改正で、個人が連帯保証人になる契約は、「極度額(責任の上限額)」を書面で決めないと無効になりました。それまで保証人の責任は事実上「青天井」だったそうです。保証会社を使う物件が主流になってきた背景には、この改正もあるといわれています。
まとめ|審査は「試験」ではなく「お互いの確認」
最後に、今回調べたことを整理します。
- 入居審査で見られるのは「安定して払えるか」と「人柄」。家賃は月収の3分の1程度までが目安
- 結果までは3日〜1週間が目安。書類をそろえて、電話に出られるようにしておくのが最大の時短
- 転職したばかりでも、内定通知書や給与明細で通る道がある。「何か月はダメ」という一律の決まりはないようです
- シンママでも見られるのは属性ではなく支払い能力。貯金の質問は「貸せる方法探し」の場面でもある
- 連帯保証人まわりは書面がすべて。契約書は写真に撮っておく
調べる前は「審査=ふるいにかけられるこわいもの」というイメージでしたが、調べてみると、審査は落とすための試験というより、お互いが安心して契約するための確認なんだな、という景色に変わりました。
とはいえ、審査の基準は保証会社や物件によって本当にさまざまです。個別の事情は、申込みの前に不動産会社へ正直に相談するのがいちばんの近道。「相談したら不利になるかも」より、「先に伝えて一緒に通る方法を探す」のほうが、うまくいくことが多いようですよ。
審査に通ったら、次はいよいよ契約です。ハンコを押す前に見る場所を、こちらにまとめています。
→ 賃貸の契約書・重要事項説明書の読み方|ハンコを押す前に見る場所


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