年金分割、なんとなく聞いたことはあるけれど「手続きがよくわからない」「そもそも何をすればいいの?」という方、多いと思います。
私(ゆずな)も最初は全くわかっていませんでした。年金事務所の窓口で担当の方に教えてもらって初めて、「このまま何もしなかったら、損していたんだ」と気づきました。
調停・裁判を3年かけて戦ってきたのに、年金のことを知らないまま終わっていたら…と思うとゾッとします。同じような思いをしてほしくないので、実体験をそのままお伝えします。
結論:年金分割は自分から動かないと損するまま終わる
まず大前提として、年金分割は自動ではありません。離婚が成立しても、誰かが手続きをしてくれるわけではないんです。自分で年金事務所に出向いて手続きをしないと、何も分割されないまま終わります。
しかも、手続きには期限があります。
- 2026年3月31日以前に離婚した方:離婚後2年以内
- 2026年4月1日以降に離婚した方:離婚後5年以内
離婚後のバタバタした時期に「年金のことは後で…」と後回しにしてしまいがちですが、期限を過ぎたら手続きができなくなります。早めに動くことが大事です。
年金分割には2種類ある。どちらにするかで金額が大きく変わる
年金分割には大きく分けて2つの種類があります。この違いを知らないと、損をしたまま終わってしまうことがあります。
①3号分割(第3号被保険者期間のみ)
2008年4月以降に、専業主婦・主夫など第3号被保険者だった期間の厚生年金記録を、自動的に50%分割できる制度です。相手の同意なしで単独申請できます。
ただし、対象になるのは2008年4月以降の期間だけです。それ以前の婚姻期間は対象外になります。
②合意分割(婚姻期間全体が対象)
婚姻期間全体の厚生年金記録を対象に、最大50%まで分割できる制度です。2008年以前の期間も含まれるので、3号分割より多くもらえるケースが多いです。
原則として相手の合意が必要ですが、ここが重要なポイントです。
調停調書・審判書・確定判決があれば、相手の署名・同意がなくても手続きできます。
調停や裁判で離婚した方は、この書類がすでに手元にあるはずです。つまり、相手が「合意したくない」と言っても、関係なく手続きを進めることができます。
3号分割と合意分割、金額はどれくらい違う?
「どれくらい差が出るの?」とイメージしにくい方のために、目安の金額を出してみます。
例:婚姻期間10年(うち2008年以前が6年)のケース。3号分割は2008年以降の4年分だけが対象、合意分割は全10年が対象になります。
| 年収の例(目安) | 3号分割(年額目安) | 合意分割(年額目安) | 差額(年) |
|---|---|---|---|
| 年収400万円 | 約4.4万円 (月額約3,700円) | 約10.9万円 (月額約9,100円) | 約6.5万円 |
| 年収500万円 | 約5.5万円 (月額約4,600円) | 約13.9万円 (月額約11,600円) | 約8.4万円 |
| 年収600万円 | 約6.6万円 (月額約5,500円) | 約16.4万円 (月額約13,700円) | 約9.8万円 |
この差が、どれくらい大きいか実感してみてください。
例えば元旦那の年収が500万円だった場合、3号分割だけだと年間約5.5万円(月4,600円)ですが、合意分割にすると年間約13.9万円(月11,600円)になります。その差は年間約8.4万円。
これを20年間受け取り続けると——
| 年収の例(目安) | 3号分割のみ(20年合計) | 合意分割(20年合計) | 差額合計 |
|---|---|---|---|
| 年収400万円 | 約88万円 | 約218万円 | 約130万円の差 |
| 年収500万円 | 約110万円 | 約278万円 | 約168万円の差 |
| 年収600万円 | 約132万円 | 約328万円 | 約196万円の差 |
同じ年金分割の手続きをするだけで、最大約196万円もの差が出ることがあります。知らずに3号分割だけで終わらせてしまうのが、いかにもったいないかがわかると思います。
※ 上記はあくまで目安の金額です。実際の金額は婚姻期間中の標準報酬月額や加入期間によって異なります。正確な金額は年金事務所で「年金分割のための情報通知書」を取得してご確認ください。
窓口で聞かなければ、3号分割だけで終わっていた
私が年金事務所に行ったのは、離婚後の手続きを一通り終わらせるためでした。「3号分割の手続きをすればいいんだな」というくらいの知識しかありませんでした。
ところが、窓口の担当の方がこう教えてくれたんです。
「3号分割だけだと2008年以降の期間しか対象になりませんが、調停調書や判決があれば、婚姻期間全体を対象にした合意分割ができますよ。」
私は調停・裁判で3年かけて離婚が成立していたので、書類がありました。弁護士の先生にも確認を取って、合意分割の手続きができるとわかり、実際に進めることができました。
もし窓口で聞かなければ、3号分割だけで終わっていたと思います。年金事務所の担当の方には本当に感謝しています。窓口に行って、自分の状況を話して、「他にできる手続きはありますか?」と聞くだけで、教えてもらえることがあります。
実際の手続きの流れ
- 年金事務所に予約を入れる(完全予約制なので、まず電話かネットで予約)
- 「年金分割のための情報通知書」を取得する(どれだけ分割できるか確認できる書類)
- 必要書類を準備する(調停調書・審判書・判決確定証明書など)
- 「標準報酬改定請求書」を提出する
- 手続き完了
私は書類の確認・情報通知書の取得・請求書の提出などで、計3回年金事務所に足を運びました。窓口は完全予約制なので、当日いきなり行っても対応してもらえないことがあります。思い立ったらまず予約から始めてください。
弁護士がいても、自分でも動くことが必要
調停・裁判の期間中は弁護士の先生にお願いしていましたが、年金分割の手続き自体は自分で動きました。
弁護士の先生は、複数の案件を同時に抱えています。電話してもすぐに出てもらえないことも多く、私は質問をメモにまとめてメールで確認するというやり取りをしていました。また、契約期間が終わると基本的に対応してもらえなくなること、場合によっては質問への回答にも費用が発生することもあります。
これは弁護士の先生を批判しているわけではありません。私が担当してもらった先生はとても良い方で、3年という長い期間、本当に支えてもらいました。ただ、「弁護士に任せていれば全部やってくれる」というわけではなく、自分でも調べて、質問をまとめて、動くという姿勢が大切だということです。
年金分割についても、最終的には窓口の方に直接聞いて、弁護士の先生に確認して、自分で手続きを進めました。「わからないから誰かに全部お任せ」ではなく、自分でも動く。それが離婚後の手続きを乗り越えるための現実だと思っています。
まとめ
- 年金分割は自動ではない。自分で動かないと分割されないまま終わる
- 調停調書・審判書・判決があれば、相手の同意なしで合意分割ができる
- 窓口で「他にできる手続きはありますか?」と聞くだけで、知らなかった制度を教えてもらえることがある
年金事務所は完全予約制です。「私には関係ないかも」と思っていても、一度足を運んで窓口で確認してみてください。
私のように「知らなかった」で損してほしくない。その一心でこの記事を書きました。
あなたも大丈夫。一つずつ動けば、必ず前に進めます。


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