お部屋探しで初期費用の見積もりを見ていると、「保証会社利用料」という項目が出てきます。物件情報にも「保証会社:必須」の文字。
正直に告白すると、私はこの保証会社について、長いあいだ「いるんだな」くらいの理解しかありませんでした。昔はじめて賃貸を借りたときは母が保証人になってくれて、結婚後に住んだ家では保証会社を使ったうえに連帯保証人まで立てていました。それなのに、しくみを自分で調べたことは一度もなくて、言われるがまま。
でも、あらためて考えると疑問だらけです。保証会社って、何をする会社? 保証料はいくら? 毎年かかるの? 連帯保証人がいれば不要なんじゃないの? 審査では何を見られるの?
そこで今回は、賃貸の保証会社のしくみ・費用・審査・滞納したらどうなるかを調べて整理しました。後半では、離婚のときに私が経験した「連帯保証人を変更する手続き」の話も書いています。私と同じように「よくわからないまま払っていた」という方は、ぜひ一緒に確認してみてください。
保証会社のしくみ|家賃を「立て替える」会社
保証会社(家賃保証会社)は、入居者が家賃を払えなくなったときに、大家さんへ家賃を立て替えて支払う会社です。まず、全体の関係を図にしてみました。
保証会社をはさんだ3者の関係
⬇ ① 契約するときに保証料を支払う
⬇ ② 滞納があったとき家賃を立て替える
⬆ ココがいちばん大事なところ
ここで大事なのは、保証会社は「タダで守ってくれる保険」ではないこと。立て替えたお金は、あとから全額、入居者本人に請求されます。つまり入居者にとって「滞納しても許されるしくみ」ではなく、「大家さんが安心して部屋を貸せるようになるしくみ」なんですね。
「じゃあ入居者には関係ない話?」と思いきや、そうでもありません。保証会社があるおかげで、連帯保証人を頼める人がいなくても部屋を借りやすくなったといわれています。親に頼みにくい、頼める親族がいない……そんな事情があっても契約しやすくなるのは、母子で暮らす身としてはありがたいしくみだと感じます。
近年の調査では、賃貸契約のおよそ8割で保証会社が使われているそうです。いまや「保証会社は必須です」と言われるのがふつうの時代になりました。
保証会社のお金と審査|気になる疑問を1つずつ
保証料はいくら?|初回は家賃の50〜100%が目安
保証会社を使うための保証料は、入居者が負担します。相場は次のとおりといわれています。
| 種類 | 目安 | 払うタイミング |
|---|---|---|
| 初回保証料 | 家賃の50〜100%程度 | 契約するとき |
| 例)家賃6万円なら | 3万〜6万円 | 契約するとき |
| 更新保証料 | 1万円前後 | 1〜2年ごと |
| 月額型 | 総家賃の1〜2%程度 | 毎月 |
| 例)家賃6万円なら | 月600〜1,200円 | 毎月 |
※家賃6万円は全国の平均家賃(総務省の調査で約6万円)を参考にした例です。会社・プランで異なるので、正確な金額は見積もりで確認を
総務省の調査では、全国の借家の家賃は1か月あたり平均でおよそ6万円だそうです。ちょうど平均くらいの家賃6万円のお部屋を借りるとしたら、初回だけで3万〜6万円。「そんなにかかるの!?」と思いますよね。私も思いました。しかも会社やプランによって「初回のみ」「初回+更新料」「初回+毎月」などいろいろな形があるそうです。見積もりに「保証会社初回◯◯%」と書かれていたら、更新のときにもかかるのかどうか、あわせて確認しておくと安心です。
初期費用の全体像は、こちらの記事にまとめています。
→ 賃貸の初期費用の内訳と相場|消毒代・外せる項目・交渉のコツ
保証会社は自分で選べる?|基本は大家さん側の指定
「金額に差があるなら、安い会社を選びたい!」と言いたくなりますが、保証会社は基本的に入居者側では選べないそうです。どの保証会社を使うかは、大家さんや管理会社が決めています。
ただ、物件によっては複数の保証会社から選べる場合もあるようです。気になるときは「保証会社はどちらですか? 保証料はいくらですか?」と申込みの前にやわらかく聞いてみるのがよさそうです。
連帯保証人がいれば保証会社は不要?|今は「保証会社が必須」が主流
私が結婚していたころに住んだ家は、保証会社を使ったうえで、さらに双方の父親が連帯保証人になるという契約でした。「両方いるの!?」という感じですが、調べてみると、こういう契約はめずらしくないようです。
背景には、2020年4月の民法改正があるといわれています。この改正で、個人が連帯保証人になる契約には「極度額」(連帯保証人が責任を負う金額の上限)を契約書に書くことが義務になりました。連帯保証人を守るためのルールなのですが、大家さん側から見ると「上限までしか請求できない」ことになるため、保証会社への切り替えが一気に進んだそうです。
その結果、いまは「連帯保証人がいても保証会社は必須」「連帯保証人は不要で保証会社のみ」という物件が多数派になっているとのこと。連帯保証人を頼める人がいるかどうかを心配するより、「保証料込みで初期費用がいくらになるか」を確認するほうが現実的な時代になりました。
審査では何を見られる?|「母子家庭だから落ちる」ではない
保証会社を使うときには審査があります。私が気になったのは「シングルマザーだと落ちやすいの?」ということ。調べた範囲では、審査で見られるのは母子家庭かどうかという「属性」ではなく、支払い能力だそうです。
- 家賃が収入に見合っているか(月収の3分の1以内が目安といわれます)
- 過去に家賃や携帯料金などの滞納がないか
- 収入が安定しているか(勤続年数など)
このあたりがポイントとされています。つまり、収入に対して無理のない家賃の部屋を選べば、必要以上に心配しなくてよさそうです。私も離婚後のお部屋探しでは、家賃を慎重に考えました。そのときの考え方はこちらに書いています。
→ シンママのお部屋探し、選ぶとき大切にしていること【実体験】
ちなみに、保証会社の審査を含めた入居審査ぜんたいの流れと日数は、こちらの記事にまとめました。
→ 賃貸の入居審査とは?流れ・日数・見られるポイントと通るコツ
滞納したらどうなる?|立て替えは「借金」と同じ
もし家賃を滞納すると、保証会社が大家さんに家賃を立て替えて、その分が入居者本人に請求されます。ここで怖いのは、立て替えの記録が残ること。滞納が続くと信用情報などに記録が残る場合があり、次の引っ越しで保証会社の審査に通りにくくなったり、クレジットカードやローンに影響したりすることもあるそうです。
うっかり残高不足が1回あったくらいで、すぐどうこうなるわけではないようです。ただ、いちばんよくないのは、支払いが苦しいときに連絡せず放置することだそうです。事情ができたら、早めに管理会社や保証会社に相談することが大切といわれています。
緊急連絡先はなぜ必要?|お金の責任はゼロ
契約のとき、連帯保証人とは別に「緊急連絡先」を求められることがあります。名前を書く欄があると「この人にも請求がいくの?」と不安になりますが、緊急連絡先に家賃を支払う責任はありません。本人とどうしても連絡が取れなくなったときなどに連絡するための窓口で、連帯保証人とはまったくの別物だそうです。
親族が望ましいとされることが多いようですが、物件によっては友人などでも認められる場合があるとのこと。誰かにお願いするときは「お金の責任はない、連絡先だけの役割だよ」と伝えると、相手も安心してくれますね。
離婚のとき、父を連帯保証人から外した話
ここからは、私の実体験です。保証会社そのものというより「連帯保証人」の話ですが、この記事でいちばんお伝えしたいことなので、書かせてください。
先ほど書いたとおり、結婚していたころに住んだ家は、保証会社に加えて双方の父親が連帯保証人になっていました。私は別居をすることになって、その家を先に出ました。そこから離婚が成立するまでには、3年近くかかっています。
そして、離婚の手続きがすべて終わったあとに、はっと気づいたんです。「あの家の契約、私の父が連帯保証人のままだ」と。
このままでは、万一あの家で家賃の滞納などがあれば、もう関わりのない私の父に請求が来るかもしれない。お世話になった弁護士さんに相談して、間に入っていただき、連帯保証人を変更する手続きを進めました。完了までは1か月ほどかかった記憶があります。
そして、ここが大事なところなのですが、私は「本当に変更されたこと」を2つの方法で確認しました。
- 変更後の書面を確認する(弁護士さん経由で、父が連帯保証人から外れたことを確認)
- 保証会社にも直接問い合わせて確認する
このダブルチェックです。「手続きしましたよ」という言葉だけで安心せず、書面と保証会社の両方で確かめたことで、心から安心できました。
家を出るとき、契約書を写真に撮っておいた
この手続きで何よりも役に立ったのが、家を出るときに賃貸の契約書をスマホで写真に撮っておいたことでした。契約書の原本は家に残っていて、手元にありません。それでも写真があったおかげで、「誰が連帯保証人か」「どの保証会社か」「契約はどうなっているか」をすぐに確認できて、弁護士さんへの相談もスムーズに進みました。
引っ越しや別居で家を出るとき、契約書のことまで頭が回る方は少ないと思います。でも、契約書や重要事項説明書は、写真を撮っておくだけで、あとから自分を助けてくれます。これが、この記事でいちばんお伝えしたいアドバイスです。
契約書のどこを見ればいいかは、こちらの記事にまとめています。
→ 賃貸の契約書・重要事項説明書の読み方|ハンコを押す前に見る場所
なお、連帯保証人は契約の途中でも、大家さんや管理会社の承諾があれば変更できるそうです(新しい保証人の審査などが必要とされています)。離婚は、連帯保証人の変更が必要になる代表的なケースだそうです。同じ状況の方は、ひとりで抱えず、管理会社や弁護士さんなどの専門家に相談してみてください。
まとめ|「よくわからないまま」を卒業して、安心して借りる
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 保証会社は家賃を立て替える会社。立て替えた分は本人に請求される
- 初回保証料は家賃の50〜100%が目安。更新料の有無も見積もりで確認
- いまは連帯保証人がいても保証会社必須が主流(2020年の民法改正がきっかけ)
- 審査で見られるのは属性ではなく支払い能力。家賃は月収の3分の1以内が目安
- 滞納の記録は次のお部屋探しに響く。苦しいときは早めに相談
- 契約書は写真に撮っておく。連帯保証人は途中でも変更できる
保証料の金額やプランは、会社や物件によってちがいます。最後は必ず、見積もりと契約書で確認してください。わからないことは、契約前に不動産会社へ質問すれば教えていただけます。
「なんだかよくわからないお金」が1つ減るだけで、お部屋探しはぐっと安心に近づきます。この記事が、その1つになればうれしいです。
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