「3年も専業主婦をしていた私が、また働けるんだろうか」——再就職を考え始めたとき、いちばん頭をよぎったのは、その不安でした。
仕事の感覚も、パソコンの使い方も、きっと古くなっている。ブランクのある私を、雇ってくれる会社なんてあるのかな。そんなふうに、一歩を踏み出す前から心配ばかりしていました。
もし今、同じように「ブランクがあると再就職って難しいのかな」と立ち止まっている方がいたら、この記事を読んでほしいと思います。特別なことは何もできなかった私が、どんなふうに一歩ずつ進んでいったか。等身大の体験を書いていきます。
3年のブランクで、いちばん怖かったこと
出産を機に仕事を辞めて、専業主婦になって約3年。いざ「また働こう」と思ったとき、いちばん不安だったのは「スキルや仕事の感覚が古くなっていないか」ということでした。
3年も現場を離れていると、当たり前に使っていたパソコンの操作も、仕事の段取りも、すっかり忘れてしまった気がして。「今の私に、できることなんてあるのかな」と、自信をなくしていました。
でも、不安を数えていても何も始まりません。とにかく「できることから一つずつ」と決めて、動き出しました。
まず始めたのは、履歴書の写真を撮ること
私が再就職で最初にしたこと。それは、求人に応募することでも、求人サイトを見ることでもなく——「履歴書の写真を撮りに行く」ことでした。
着ていったのは、新卒のときに買った、10年以上前のスーツ。正直、もう入らないかもと思っていたのですが、なんとか着られて「よかった…!」と、まずそこでひと安心です(笑)。
家の近くの、コンビニの前にある証明写真機で撮りました。当時3歳だった娘が「中はどうなってるの?」と気になってしょうがない様子で。うっかり親子2ショットの証明写真にならなくて、本当によかったです(笑)。
今思えば、この「写真を撮る」という小さな一歩が、止まっていた私の背中を押してくれた気がします。
履歴書の書き方も忘れていた。資格も一から探した
いざ履歴書を書こうとしたら、書き方すら忘れていました。学歴の書き方、職歴の並べ方——ネットで調べながら、必死に一枚を仕上げたのを覚えています。
自分にどんな資格があったのかも、すぐには思い出せませんでした。家にしまってあった資格証を引っぱり出して、「あ、これ持っていたんだ」と確認しながら書きました。
このとき本当に役立ったのが、自分のこれまでの経歴を時系列でまとめた表です。いつ・どこで・何をしていたか。それを一枚にしておくと、履歴書も職務経歴書も、ぐっと書きやすくなります。
再就職までの流れ(私の場合)
- ステップ1:履歴書の写真を撮る(スーツを引っぱり出すところから)
- ステップ2:履歴書の書き方を調べる/持っている資格を棚卸しする
- ステップ3:求人を探す(派遣サイトで「正社員登用あり」を発見)
- ステップ4:応募 → 面接・筆記試験 → 社長面接
- ステップ5:入社。必死に仕事を覚える日々
- ステップ6:正社員登用が決まる
振り返ると、こんな流れでした。最初から全部が見えていたわけではなく、一歩進んでは次が見える、その繰り返しです。
焦って、直接電話をかけたことも
当時の私は、とにかく焦っていました。家から近くて、名前の知れている会社に、思いきって直接電話をかけ「今、求人を募集されていますか?」と聞いたこともあったほどです。
面接にこぎつけた会社もありました。でも——椅子に座って面接を受けたところまでは覚えているのに、何を聞かれたのか、まったく思い出せません(笑)。ただ一つ、面接官に「ん?」という顔で首をかしげられたことだけは、はっきり覚えています。きっと、見当違いなことを答えていたのでしょうね。
今となっては笑い話ですが、当時は一つひとつが必死でした。
派遣サイトで見つけた「正社員登用」という道
そんな中で、派遣の求人サイトを見るようになりました。そこで知ったのが「正社員登用あり」という募集です。
「正社員はハードルが高くても、派遣からスタートして、認めてもらえたら正社員になれる道がある」。そう知って、気になる求人にはどんどん応募し、中でも条件が良いと感じたところに応募を決めました。
ここで一つ、正直にお伝えしたい教訓があります。募集要項に書かれていた条件と、実際の条件が違っていたことがありました。だからこそ、気になる条件は、入る前にしっかり確認しておくことが本当に大切だと、身をもって学びました。当時の私は仕事を決めたい一心で、確認が後回しになってしまったのです。
社長面接で、”今の事情”を正直に話した
応募先では、まず総務の方が丁寧に説明してくださり、筆記試験を受けました。試験に合格すると、次は社長面接へ。これは一人で会社に向かいました。
どこまで話そうか迷ったのですが、社長面接はざっくばらんに話せる雰囲気だったので、私は今の自分の状況を正直に伝えました。子どもがまだ小さいこと、これからのこと。
後になって、「あのとき事情を話しておいて、本当によかった」と何度も思いました。子どものお迎えが必要なときも「連絡があったら行ってあげてね」と言ってもらえて。事情を分かってもらえていたからこそ、安心して働けたのだと思います。
入ってからが、本当の本番だった
正直に言うと、入社してからのほうが大変でした。久しぶりの仕事に加えて、覚えることの多さ。電話に出ること、来客の応対——そのすべてが、最初はいっぱいいっぱいでした。
仕事も人間関係も、決して楽ではありませんでした。でも私は、誰かを悪く言ったり、まわりの雰囲気に流されたりするのではなく、「自分にできることを、淡々と丁寧に続ける」ことを大切にしました。今振り返ると、その時間が、私を一回り成長させてくれたのだと思います。人との関わり方も、たくさん学びました。
「自分の電話応対や来客対応は、これで合っているのかな。お客様に失礼になっていないかな」。そう気になり始めて、私は秘書検定の勉強を独学で始めました。学び直すことで、少しずつ自信が持てるようになっていきました。
正直、心も体も限界に近かった時期も
あの頃は、夢にまで仕事が出てくるくらい、毎日が必死でした。ちょうど同じ時期に離婚調停も重なっていて、心も体も、限界に近かった時期が正直あります。今振り返っても、人生でいちばんのどん底だったかもしれません。
それでも、一つずつ目の前のことに向き合ううちに、少しずつ前に進んでいけました。今しんどい渦中にいる方に伝えたいのは、「無理をしすぎないで。でも、立ち止まったあなたは、もう前を向き始めている」ということです。
正社員になれた日のこと
必死に仕事を覚えた結果、正社員登用は、3か月を迎える前に決まりました。あのときの嬉しさは、今でも忘れられません。
3年のブランクがあっても、特別なスキルがなくても、一歩ずつ進めば道はひらけていく。あのとき写真を撮りに行った自分を、今は誇らしく思います。
ブランクから再就職する、最初の一歩リスト
3年のブランクから再就職した私の経験から、「まずこれをやってみて」と思うことをまとめます。完璧じゃなくて大丈夫。小さな一歩からで十分です。
- まずは履歴書の写真を撮る・スーツを出してみる……止まっていた自分を動かす、いちばんの”スイッチ”になります。
- 履歴書の書き方を調べる/持っている資格を棚卸しする……これまでの経歴を時系列でまとめた表があると、ぐっと書きやすくなります。
- 派遣サイトで「正社員登用あり」も視野に入れる……正社員が難しくても、派遣からスタートして正社員を目指す道があります。
- 求人票の条件は、入る前にしっかり確認・比較する……募集内容と実際が違うこともあります。あとで後悔しないために。
- 事情があるなら、面接で正直に伝えてみる……理解ある職場に出会えることもあります。私はそれに救われました。
これから再就職する、あなたへ
ブランクがあると、再就職に不安を感じるのは当たり前です。私もそうでした。でも、最初から完璧である必要はありません。
まずは、履歴書の写真を撮る。求人サイトに登録してみる。そんな小さな一歩で十分です。私が最初にしたのも、有名な転職サイトや派遣会社に登録して、求人をのぞいてみることでした。
派遣からスタートして正社員を目指す道もあります。複数のサイトに登録して、自分に合う求人や担当者を見つけるのがおすすめです。動き出してみると、「思っていたより、私にもできる仕事があるんだ」と気づけることもあります。
ブランクは、あなたの価値を下げるものではありません。かつての私がそうだったように、今のあなたの一歩を、心から応援しています。
※40代での転職そのものについては「40代の転職は厳しい」求人は35歳以下ばかり…それでも諦めなかった私の話、面接で大切にしたことは40代シングルママの転職・面接の記事にも書いています。あわせてどうぞ。


コメント