正直に言うと、私自身は中学受験をしていません。子どもの頃は「中学受験」という言葉すら知らずに過ごしていました。
そんな私が今、娘の中学受験——しかも国立の中高一貫校を目指して、親子で歩んでいます。「なんで急に?」と思われるかもしれません。今日は、私がその一歩を踏み出した”本当の理由”を、正直にお話しします。
※学校名は伏せますが、地元にある国立大学の附属中高一貫校を目指しています。
きっかけは「知らないことを知るのが好き」だった
私はもともと、ジャンルを問わず、気になったことをすぐ調べるのが好きでした。知らないことを知るのが、純粋に楽しいんです。
そんなある日、住んでいる地域に「国立の中高一貫校」があることを知りました。なんとなく調べてみた教育カリキュラムが、普通に学校へ通うのとはまったく違っていて——「ここで学んだら、娘の世界がぐっと広がるんじゃないか」と感じたんです。
知らないで生きるよりも、いろんなことを知って生きたほうが、人生はきっと楽しい。これは、私自身がずっと感じてきたことでした。
大学の環境で学べる、特別なカリキュラム
その学校の魅力は、なんといっても学びの環境でした。大学のキャンパスの中にあって、大学の図書館や施設に触れられたり、自分でテーマを決めて深く掘り下げる「探究的な学び」に力を入れていたり。
普通の中学校では、なかなか経験できないことがたくさんあります。「こんな学び方があるんだ」と知ったとき、私のほうがワクワクしてしまいました。
たとえば、大学の図書館を使えたり、本来は大学生が受けるような専門的な学びに、中学生のうちから触れられたり。10代の早いうちから、そんな”本物”の環境に身を置けるのは、なかなかないことです。普通の学校に通っていたら経験できないことを、娘にはぜひ味わってほしいと思いました。
私の原点「世界に一つだけの花を咲かせるために」
娘が保育園を卒園するとき、私は役員をしていた縁で、卒園式の謝辞を読ませてもらいました。そのとき私が口にしたのが、「この子が世界に一つだけの花を咲かせるために、全力でサポートしていきたい」という言葉でした。
中学受験を考えたとき、まさにこの気持ちそのものだ、と思ったんです。
私にできるのは、種を植えて、水や肥料、太陽の光を、与え続けること。でも、芽を出して花を咲かせるのは、本人次第です。だからこそ私は、娘がどんな花を咲かせてもいいように、できる限りいろんな経験をさせてあげたいと決めていました。
「こんな世界があるんだよ」を伝えたかった
職業体験や、手作りで何かを作る体験。予算の範囲内で、娘にいろんな経験をさせてきました。
理由はシンプルで、「世の中には、こんなことがあるんだよ」と伝えたかったから。たくさんの世界に触れるなかで、娘が「これが好き」「これをやってみたい」と思える何かに出会えたら——そう願っていました。中学受験も、その”経験”の延長線上にあります。働きながらどう支えてきたかは、仕事と生活の整え方の記事にも書いています。
子どもは、知らないことには興味の持ちようがありません。だからまず親の私が、いろんな扉を見せてあげる。そのなかから、娘自身が「これ!」と思えるものを選んでいけばいい。中学受験という挑戦も、私が無理にさせたのではなく、”こういう道もあるよ”と見せたうえで、最後は娘自身が決めました。
なぜ「私立」ではなく「国立」なのか
正直なところ、私立は学費の面で、わが家には難しい選択でした。シングルマザーとして、ここは現実的に考えました。
でも、国立を選んだ理由は、お金のことだけではありません。私には、ひとつの願いがあります。それは——頭が良いだけでなく、自分の意見を、自分の言葉で伝えられる子に育ってほしいということ。
じつは私自身、人前で話したり、自分の気持ちや思いを言葉にするのが、ずっと苦手でした。面接も本当に苦手で…。だからこそ、娘には小さいうちから、いろんな経験を通して、伝える力を自然に育んでほしいと思ったんです。
受験の「作文と面接」も、いい経験になる
目指している学校の入試は、教科ごとのテストだけではありません。作文や面接を通して、思考力や表現力、その子らしさを見るスタイルです。
私は、この”作文と面接”こそ、娘にとって大きな経験になると思いました。自分の考えをまとめ、言葉にして伝える。これは、合格してもしなくても、これから先の人生でずっと役に立つ力だからです。
だから娘には、こう伝えてきました。「合格が全てじゃないよ。これに向けて学ぶこと自体が、いつかきっと役に立つからね」と。親子で一緒に学んできた話は、娘の中学受験と私のFP2級の記事にもまとめています。
娘も理解して、今は塾を楽しんでいる
ありがたいことに、娘はその思いを理解してくれました。そして今、自分の意志で受験を決め、塾にも楽しそうに通っています(塾選びのことは塾スタートの記事に書きました)。
塾から帰ってくると、その日に知った新しいことを、うれしそうに話してくれます。「今日、こんなこと習ったよ」と目を輝かせる姿を見ると、受験の結果が出る前から、すでに娘の世界は広がっているんだなと感じます。それだけでも、挑戦してよかったと思えるんです。
倍率はとても高くて、決して簡単な道ではありません。それでも、挑戦すること、そこに向かって学ぶこと自体に、大きな意味があると私は信じています。
中学受験を考えるとき、私が大切にした3つの視点
中学受験を「するかどうか」で迷っている方へ。私が決めるときに大切にした視点を、まとめます。
- 合格を”ゴール”にしない……合否よりも、その過程で子どもが得るもの(知らない世界・考える力・伝える力)にこそ価値があると考えました。
- 子どもの”世界を広げる”視点で考える……「こんな学び方・こんな環境があるよ」と見せてあげる。受験も、その経験の一つとして捉えました。
- 最後は、本人が「やりたい」と思えるように……親が決めて押し付けるのではなく、見せたうえで本人が選ぶ。だから、納得して前に進めます。
これから中学受験を考える方へ
中学受験というと、「合格」がゴールに見えがちです。でも私は、その過程で子どもが得るもの——知らない世界に出会い、自分の言葉で考え、伝える力を育てること——にこそ、本当の価値があると思っています。
私のように中学受験を知らずに育った親でも、子どもの世界を広げる手伝いはできます。完璧じゃなくて大丈夫。親にできるのは、種をまいて、水をやり続けること。あとは、子どもが自分の花を咲かせるのを、信じて待つだけです。
同じように悩みながら頑張っている方の、何かのヒントになればうれしいです。


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